高齢者・認知症支援
障害児通所支援事業・障害児入所支援事業
「障害児通所支援事業」と「障害児入所支援事業」などパッと見て、違いがわかりますか?
専門にお仕事をされている方であれば違いはすぐにわかると思いますが、一文字だけ違うのにサービスの内容は大きく異なります。
福祉などにおける名称・サービス等を行政が定める時によく用いる言葉に「○○援助事業」や「○○支援事業」といった言葉があります。
更に、その○○に漢字を入れ込むことが多いので似通った言葉が多くなります。
本日は、福祉、成年後見などに関係する言葉について、なんとなく聞いたことがあるような無いような、あるいは、似通った名前で区別がつかない、そのような言葉を取り上げてお話をしたいと思います。
福祉サービス利用援助事業・日常生活自立支援事業
では、さっそくですが、「福祉サービス利用援助事業」という言葉を聞いたことはありますか?
おそらく、大半の人は聞いたことが無い言葉ではないでしょうか。
では、「日常生活自立支援事業」という言葉を聞いたことはありますか?
日常生活自立支援事業という言葉は、なんとなく聞いたことがある人も多いかもしれません。
福祉サービス利用援助事業とは
精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスの利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業と、社会福祉法という法律に規定されています。
つまり、法律に規定されている名称のことを言います。
日常生活自立支援事業とは
日常生活自立支援事業は、国庫補助事業として、福祉サービス利用援助事業が法定化される半年前から、各都道府県の社会福祉協議会を主体となって、行われているサービスの名称となります。昔は地域福祉権利擁護事業という名称が使われていましたが、その名称からサービス内容が不明確であるといった点から名称変更がされました。
つまり、サービスの名称となります。
法律よりサービスの方が馴染みがありますよね?
日常において、両者を区別する実益はありませんので、ここでは日常生活自立支援事業について話をすすめていきたいと思います。
日常生活自立支援事業の内容
(1)実施主体
社会福祉協議会
(2)利用できる人
契約内容および支援計画の内容について理解できる能力が必要となります。
判断能力の判定については、「契約締結判定ガイドライン」に沿って訪問調査によって行われます。どのサービスを利用するかによって利用者の判断能力の判定も異なります。
(3)援助の範囲
福祉サービスの利用や支払いなどの範囲
(4)日常的金銭管理サービス
- ①年金・福祉手当の受領
- ②医療費の支払い
- ③税金・社会保険料・公共料金の支払い
- ④日用品などの代金の支払い
- ⑤上記の支払いに伴う預金の払戻し・解約・預入
(5)書類預りサービス
- ①年金証書
- ②預貯金の通帳・カード
- ③権利証(登記識別情報通知)
- ④契約書類
- ⑤保険証書
- ⑥実印・銀行印
- ⑦カード類
などを社会福祉協議会が管理してくれたり預かってくれるサービスとなります。
サービス利用開始にあたり注意しなければならない点は、契約内容を理解できる意思能力が必要であることです。
ただし、成年後見制度との併用は可能なので、例えば、遠方にお住まいのご家族が成年後見人に就任され、本人に代わって日常生活自立支援事業を締結し、少額財産については、管理してもらうなどといった活用も可能です。
最後に成年後見制度を開始するにあたり助成の紹介をさせていただきます。
後見制度の課題として、成年後見人への報酬が挙げられる。
利用者の資力に応じて、成年後見人への報酬が家庭裁判所により決定されるが、費用は決して安くはないと考える人も多いのではないでしょうか。
そこで、成年後見人の報酬を助成する制度して、「成年後見制度利用支援事業」といったものがあります。
成年後見制度利用支援事業とは
公的な制度であり、厚生労働省の事業として各自治体により実施されています。
成年後見制度の利用を検討しているが後見人の報酬を支払わなければならないといった方たちの利用を促進するために、平成13年から行われています。
各自治体によって財源が異なるため、助成の範囲や申立権者が異なりますが、
成年後見等の申立てを本人に代わって行うことができる人は法律に定められていますが、身寄りが無いなどの理由により、成年後見等の申立ができない人については、生活保護受給者や、それに準ずる人で、申立費用等の捻出が困難な方について、申立費用や成年後見人の報酬の一部が助成されます。
内容は大きく分けて、
- ①市町村長による申立
- ②成年後見人等の報酬の助成
となります。
例えば、ある市では
- ①後見開始の審判の申立てに要する収入印紙・切手代
- ②鑑定料
- ③後見人等の報酬
の助成を行っています。
申立にあたり、資産要件が厳しいこともあり、活用しにくいといった課題もあります。
なお、後見人等への報酬は家庭裁判所が決定しますので、そもそも報酬が発生しない場合もあります。
最後に
成年後見等について更に知りたいという方は、成年後見のページをご参照ください。
弊所は、専門的な知識を基に、司法書士として、後見人制度、高齢者支援・認知症支援に力を入れてます。
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やまぎわやすたか司法書士事務所 代表 司法書士 山際 康峰