相続の財産調査には正確さが大切です!相続財産の調査方法を解説!

司法書士が説明します

こんにちは、司法書士法人やまぎわです。

親が亡くなった時に、まず最初にやるべきことは相続財産の調査になります。気持ちが落ちてしまい何も手につかないかもしれませんが、相続が開始した場合には期限内に行わなければならないこともあり、ゆっくりしている時間はないこともあります。

今回のブログでは、相続の財産調査は正確さが大切だということの理由と、その相続財産の調査方法について相続に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。

これから相続の手続きをする必要がある読者の方にとっては必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

相続財産の調査方法と相続財産の評価方法について司法書士が解説します!

相続が開始した場合に、相続人は「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選択しなければなりません。また、限定承認と相続放棄については、相続の開始を知ったときから3カ月以内にしなければなりません。どの手続きを選択するにしても、相続財産の内容がわからなければ手続きを進めることができません。

相続が発生した後に、遺産分割協議をする場合も協議後に新たな相続財産が判明したり、あるはずの相続財産が存在しないことが発覚すると、相続人同志での大きなトラブルに発展する可能性があります。また、借金などの負債については期限内に相続放棄手続きをしなければ、思わぬ借金を負ってしまう可能性があります。

このように、相続にあたって正確な財産状況を調査することはとても重要になりますので、今回のブログでは、相続財産を正確に調査する方法をわかりやすく解説いたします。

金融機関の預貯金の確認方法

相続財産の有無を調査する方法は、相続財産の種類によって異なります。代表的な財産の種類ごとにわかりやすく解説したいます。

まず、預貯金の調査については、亡くなった方(被相続人)がどの金融機関を利用していたかを特定することが必要になります。通帳やキャッシュカード、金融機関からの郵便物などが残っている場合には、取り引きがあった可能性が高いと考えられるため相続財産の調査対象とするべきです。通帳を発行していない口座や紛失した口座があるケースもありますので、取り引きがある可能性が少しでもある金融機関は調査の対象に含めた方がいいでしょう。

預貯金がありそうな金融機関を特定したら、その口座の残高証明書の発行を依頼します。残高証明書の取得は相続人全員が共同して行う必要はなく、相続人の一人からでも請求することが可能です。対象の銀行によって必要な書類は異なりますが、少なくとも被相続人が亡くなったことが記録された戸籍謄本と、手続きの依頼をする人が相続人であることがわかる戸籍謄本は必ず必要になります。必要な書類については手続きをする金融機関に事前に連絡をして確認することをお勧めいたします。

銀行口座の存在が確認できた場合は、通帳の記帳も行いましょう。被相続人が亡くなるまで取り引きをしていた通帳の内容は相続財産の調査に役立ちます。例えば、銀行の貸金庫の使用料は通帳からの引き落としが一般的です。通帳に貸金庫の使用料の記載があれば、貸金庫の中に被相続人の所有物が残っている可能性があります。同様に、通帳の記載で気になる記録があった場合は、その内容を確認いたしましょう。

株式保有はネット証券に注意

もちろんですが、株式などの有価証券も相続財産になります。また、仮想通貨や保険積立金、ゴルフ会員権なども相続の対象になります。株券が見つかった場合には発行した会社名が記載されていますので、被相続人が株主名簿に記録されているか確認いたしましょう。また、証券会社からの取引残高報告書などが見つかった場合は照会を行いましょう。ネット証券会社で取り引きを行い書類をメールなどで受け取っている場合は、郵便物がないケースもあるために注意が必要です。株式に興味があるといった被相続人の生前の行動から調査する範囲を検討いたしましょう。

株式には上場株式と非上場株式があります。ここでは、上場株式を保有していた場合の評価方法について解説いたします。

上場株式の評価額は「1株あたりの金額×保有株数」で算出します。株価は日々変動しますが、過去の傾向も考慮して、次の4つの時点の中で一番低い金額を適用していいことになっています。

  1. 相続開始日の終値
  2. 相続開始月の終値の平均
  3. 相続開始前月の終値の平均
  4. 相続開始前々月の終値の平均

不動産の調査は固定資産評価証明書を取得する

不動産を所有していれば固定資産税の納付書が届くことになり、納付書の中には固定資産税課税明細書が同封されています。しかし、不動産を所有していても納付すべき税額が発生しない私道や山林などの場合は一般的に納付書などの書類は届きません。また、共有不動産については、共有者を代表する一人に納付書などの書類が送付されます。

以上の様な場合でも、相続財産としての不動産を調査する有効な方法が「名寄帳」を利用することです。名寄帳の読み方は「なよせちょう」で、個人が所有している不動産を一覧にして確認することができます。

名寄帳を利用する相続財産の調査方法については、当事務所の以前のブログ「固定資産評価証明と名寄帳の違いとは?司法書士がわかりやすく解説!」でわかりやすく解説していますので、ぜひその記事をご覧になってください。

不動産の建物の評価は「固定資産税評価額」となりますが、土地は「路線価方式」と「倍率方式」という2種類の方法によって計算します。国税庁ウェブサイトでご自身の住所地の路線価が確認できます。ただし、これに住所が載っていない地域は倍率方式を採用します。倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算いたしますので、もし算出が難しい場合は、ぜひ当事務所にお気軽にお問い合わせください。

貴金属や自動車などの動産も相続財産になります

貴金属や美術品、骨とう品に関しては、売買実例価額や専門家の意見価格を参考にして評価することとされています。
自動車の相続財産としての評価については、インターネットでの中古車として流通している価格が参考にしやすいですが、販売者の利益がプラスされていますので、より実際の価値に近い「年式や走行距離の近い車種の中古車」の買取価格を参考にいたします。自動車の買取価格については、インターネットでも検索することができますし、中古車買い取り業者の査定価格も参考にできます。

それでは、今回のテーマの相続の財産調査の大切さと調査方法についての解説は以上になります。

司法書士法人やまぎわでは、今回のブログのテーマである相続財産の調査を含めた相続全般についての無料相談を行っています。これから相続の手続きや相続登記をお考えの方は、相続に関するスペシャリストである当事務所にお気軽にご相談ください。

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