遺留分と養子について!相続に詳しい司法書士が詳しく解説します!

司法書士が説明します

こんにちは、司法書士法人やまぎわです。

今回の司法書士法人わまぎわのブログは、「相続での遺留分と養子について!」というテーマで解説をいたします。

読者の皆様は養子の意味はご存知でしょうが、遺留分についてはあまり聞きなれない言葉ではないでしょうか?

また、今回のテーマの遺留分と養子については2つの制度の関係以外にも遺留分と養子について、それぞれの制度の基本的な知識を相続のスペシャリストである司法書士がわかりやすく解説いたします。

相続での養子や遺留分に興味を持つの読者の方にとっては必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

相続で養子の遺留分とは?相続のスペシャリストが詳しく解説します!

司法書士法人やまぎわ

今回のブログでは、まずそれぞれの制度について解説をいたしましょう。

養子については読者の皆様もご存知だと思いますが、養子と実子の大きな違いについては血縁関係の有無になります。実子は実際に血縁関係のある子供であり、養子はご自身と血縁関係のない子供ということになります。

養子と養子縁組をした養親の間には血縁関係はありませんが、養子縁組が成立すれば法律上では法定血族たる嫡出子(実子)と同じ扱いになります。法律上においては嫡出子(実子)と同じような身分を持ち実子(嫡出子)と違いがありませんので、相続においても同じ扱いになります。

次に相続の遺留分について解説をしたします。

亡くなった方(被相続人)の相続財産を相続する人(法定相続人)や相続財産を引き継ぐ割合(法定相続分)は民法で定められています。しかし、亡くなった方(被相続人)に遺言書が残されていた場合はその遺言書の内容が優先されます。

その遺言書の内容が亡くなった方の愛人にすべての相続財産を引き渡すというように他の相続人に対して明らかに不公平な内容だった場合に、他の相続人の今後の生活などの踏まえて主張できる相続財産の最低限の取り分が「遺留分」になります。

ここまでで、養子と遺留分についての基本的な知識は理解できたと思いますので、それぞれの制度の関りについて解説をいたします。

養子にも遺留分はあるの?司法書士が解説します。

養子は、相続が開始されれば実子と同じく相続権を持つことは前述いたしましたので、遺留分についても実子と同じように請求することが出来ます。

請求できる遺留分は、法定相続分をもとに計算されるために、まずは法定相続分について理解する必要があります。

ここでは例を挙げて法定相続分について解説をいたします。

  • 第1順位:配偶者と子供が相続人となるケース
    配偶者が相続財産の2分の1を相続し、残りの2分の1を子供の数で平等に割って相続します。
  • 第2順位:配偶者と親(直系尊属)が相続人となるケース
    配偶者が相続財産の3分の2を相続し、残りの3分の1を親(直系尊属)の数で平等に割って相続します。
  • 第3順位:配偶者と兄弟姉妹(傍系血族)が相続人となるケース
    配偶者が相続財産の4分の3を相続し、残りの4分の1を兄弟姉妹の数で平等に割って相続します。

相続人が配偶者のみの場合や配偶者がなく子供のみ、親のみ、兄弟姉妹のみといった場合には、それぞれの法定相続人が相続財産の100%を引き継ぐことになります。

法定相続分について基本的な理解はできたと思いますが、遺留分は割り合いは原則として法定相続分の2分の1になります。原則と書いた理由はすべてのケースで法定相続分の半分になる訳ではなく、法定相続人の中でも兄弟姉妹については遺留分がありません。

例を挙げると、法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合の法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1になりますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。このケースで配偶者の遺留分は法定相続人が配偶者のみの場合と同じで、遺留分は2分の1になります。

遺留分を取り戻すには請求する必要があります。

実は遺留分は自然に手に入るわけではなく、遺留分の権利を主張することが必要になります。

また、遺留分の請求については2019年7月に施行された相続に関する民法改正により変更がありましたので、ここでは新しい民法に沿って解説をいたします。

遺留分を取り戻す請求を遺留分侵害額請求といい、法定相続人の中で遺留分の権利のある人が遺留分を侵害された場合に、その侵害額に相当する金銭を支払いを請求することが出来ます。民法改正以前は不動産などの現物で行われるケースが多かったのですが共有名義になり処分ができないといった問題点が多く金銭による解決に改正されることになりました。

遺留分侵害額請求はいつまでできる?

法定相続人が遺留分が侵害されていることを知るタイミングは、ほとんどの場合は亡くなった方(被相続人)に遺言書があり、その内容を知ったときになります。

ただし、遺留分侵害額請求権には時効があります。

遺留分侵害額請求権の時効は、相続が開始されて遺留分の侵害があったのを知ったときから1年、または相続が開始された時から10年なので、この期間を過ぎると遺留分侵害額請求権は時効により消滅しますので、注意が必要になります。

ここまでで、養子にも実子と同じように遺留分があり、請求することで遺留分を取り戻すことが出来ることが理解できたと思います。

それでは、今回のテーマの遺留分と養子についての解説は以上になります。

司法書士法人やまぎわでは、今回のブログのテーマである養子や遺留分を含めた相続全般についての無料相談を行っています。これから相続の手続きや相続登記をお考えの方は、相続に関するスペシャリストである当事務所にお気軽にご相談ください。

司法書士法人やまぎわトップページへ

ケータイの方はタップでお電話できます