遺産分割協議書のお話
本日は、遺産分割協議書にまつわる相続の相談事例を基にお話したいと思います。
エピソード事例
Q.父が亡くなり相続が発生しました。兄弟から遺産分割協議をしましょうと話を持ち掛けられたのですが、そもそも遺産分割協議とはどういったものなのでしょうか?
A.遺産分割協議とは、お亡くなりになった方の相続財産をどのように分けるかを相続人全員で話し合って決めることを言います。
Q.相続財産とは何ですか?
A.相続財産とは、お亡くなりになった方がもっていたもので、代表的なものに次のものがあります。
- 不動産
- 銀行預貯金
- 有価証券
- 動産(車や絵画など)
- 現金
- 債務
Q.なぜ、債務も記載する必要があるのですか?
A.一定額を超える財産を取得した相続人には相続税がかかりますが、取得した財産から債務を控除した額に相続税がかかるため節税につなげることができることも理由に挙げられます。
※相続税における債務控除
相続税の課税価格の計算上、相続人の取得財産の価額から、相続開始の際現存する被相続人の債務で、相続により財産を取得した者の負担に属する部分の金額を控除することができます(相法13①一)
A.お亡くなりになられた方が不動産を所有しており、ローンの支払いもしていた場合、不動産を取得する人がローンを引き継いで支払うケースが多いことや、あるいはお亡くなりになられた方が事業を行っていた場合などは、事業を引き継く人が事業の借入金も引き継くことが現実的であるためです。
ただし、相続人が複数いる場合に、お亡くなりになられた方の債務をの全てを一人の相続人に承継させる内容の遺産分割協議を行った場合は、相続人間では有効ですが、銀行等の債権者には原則として対抗できませんので、銀行等の同意が必要となります。
遺産分割協議書の記載例(一人の相続人にのみ債務を取得させる場合)
第〇条 被相続人A(平成○○年○○月○○日死亡)の○○銀行に対する平成○○年○○月○○日付金銭消費貸借契約に基づく借入債務(相続開始日の残元本金○○万円)については、相続人Bが全て承継する。
Q.自分たちで、遺産分割協議を行いましたが、自分たちでも不動産の相続登記をすることは可能ですか?
A.不動産における相続登記は原則、相続人が行い、代理として国から認められた国家資格として司法書士が行うことができます。よって、ご自身ですることも可能ですし、我々司法書士に依頼することも可能です。ただし、難しい事例はご依頼いただくことが多いイメージがあります。
※弊所に相続登記を依頼する場合の手続きの流れは、こちらの相続のページをご参照ください。
Q.自分たちで、遺産分割協議を行いましたが、銀行預貯金の解約・振替手続きが大変そうですが、こちらも依頼することも可能ですか?
A.はい。可能です。司法書士は銀行手続きを代理で行うことができます。根拠として、遺産承継業務(遺産整理業務)といった財産管理業務を行うことができるためです。
最後に
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やまぎわやすたか司法書士事務所 代表 司法書士 山際康峰