合同会社の設立件数の推移です。(法務省統計参照)
会社法施行(平成18年)当初は、合同会社はなじみの少ない会社類型であったため設立件数はあまり多くはありませんでした。
しかし、近年、増加傾向が顕著に見られ毎年20000社以上の合同会社が設立されています。
この理由としては、合同会社には株式会社とは異なるメリットがあると感じる人が多くなってきたことが背景にあると思います。
合同会社を設立するメリット
①設立費用が安い(株式会社と比べて9万円ほど登録免許税が安い。)
②定款の認証が不要(公証人役場での定款認証費用5万円がかからない。)
②社員の任期がない(株式会社の役員任期は非公開会社で最長10年。登録免許税は1万または3万円かかります。)
③公告義務がない(株式会社には決算公告義務がある。決算公告は公告媒体によっても異なりますが官報でも7万円以上かかります。)
④会社更生法の適用がない(設定した担保権が更生担保権とされてしまう危険がない)
などが挙げられます。
では、合同会社にも少しだけデメリットがあります。
①株式会社に比べてネームバリューが落ちる
②代表者の名称は代表取締役ではなく、代表社員となる
司法書士である私個人としてはデメリットは全く感じませんが、世間の人にとっては、株式会社に比べてなじみがないといった点は多少あると思います。
それでは合同会社の設立を検討されている人にはどういった人たちが多いかというと、
①小規模経営(個人経営・家族経営・友人知人経営)
②許認可取得のため法人化が必須(介護事業など)
③節税目的で法人を設立する(消費税2期免除・課税所得)
④資産(不動産)の流動化・証券化による不動産取得税を非課税にして、その際の受け皿として合同会社を設立し、管理コスト削減につなげる。
⑤資産管理会社として法人を設立するなど
では、実際に合同会社を選択した際には以下の点には留意する必要があります。
①議決権(出資額には関係なくが社員ひとりづつに1議決権が付与される)
②定款
ネットが普及し、簡単に定款などの雛形を無料ダウンロードできるようになりましたが、安易に雛形を使用して、定款の中身を吟味しないまま、社員が2人以上いる場合に揉め事になってしまうケースもあります。
具体例として、
出資の割合に応じて損益(損失と利益)が按分されない定款だった。(または按分したくなかった)
後に定款変更する際に他の社員の同意が得られなかった。(定款変更には社員全員の同意が必要)など
せっかく安い費用で会社設立したにも本末転倒になってしまっては、もったいないですよね。
大阪、兵庫などの関西圏で合同会社の設立をして起業を検討されている方や法人化(法人成り)をご検討されている方は弊所、トップページから各ページを参照していただければ非常に幸いです。
やまぎわやすたか司法書士事務所 司法書士 山際康峰